愛用のアウロラ万年筆を壊しちゃいました。
めちゃくちゃパニクって色々調べてみても、「アウロラはインク窓でポッキリ折れがち」というすでに知っているような情報しか出ません。
ということで、実際に修理まで終了しましたので備忘録を兼ねて記事にしてみようと思います。
今回はアウロラ万年筆が壊れてしまった経緯と、その修理の流れを詳しくご紹介。
アウロラ万年筆を壊してしまって「どうしよう!」と慌てている方は、とりあえずこの記事をご覧くださいね!
万年筆が壊れてしまった経緯とその症状
壊れてしまったのは、2017年に購入した『ネブローザ』。
壊れ方は、アウロラ万年筆の故障あるあるの「インク窓からポッキリ折れる」ではありません。
なんと尾軸が折れて、尾栓がポロリと取れてしまったのです。
落としたとかぶつけたとかいう心当たりは全くありません。
いつも通りペンケースから取り出したらお尻が無くなってました…
この『ネブローザ』はインクが吸入式で、出し入れするためにはこの尾軸が必要不可欠。
このままでは絶対に使えません。
あまりにも綺麗に折れているので自分で治せそう…、なんて思いましたがすんでのところで冷静になれました(笑)
修理したいときの対応方法は主に2種類
アウロラ万年筆の主な修理方法は下の2種類。
- 買ったお店に持っていく
- 販売代理店の町山さんに問い合わせる
簡単なのは買ったお店に持っていくことです。
文房具屋さんなどで購入した場合は、保証書と万年筆を持って行って依頼するだけで大丈夫。
私は銀座の文房具屋さんで購入しましたが、近いうちに行く予定がなかったので代理販売店の町山さんに直接問い合わせる方法で修理をお願いしました。
保証期間ギリギリだったので、もうこれは直接お願いしちゃおう…!と思いました。
町山さんに修理をお願いしたときの流れ(実録)
ここからは実際の流れをリアルにご紹介します。
実際の日数やメール本文などを踏まえながら見ていきしょう。
大切な万年筆が壊れてしまって軽くパニックになってしまっている方も、これを見て落ち着いてくださいね。
1日目(2:40) 壊れているのを発見
いつものようにペンケースから取り出した時に壊れているのを発見しました。
深夜だったこともあり軽くパニックになってしまったことを覚えています。
これは10万円で購入したものです。
そんな万年筆の修理代金…考えたくもありません。
半泣きになりながらもインターネットで同じような経験をした人はいないか探します。
インク窓がポッキリ割れてしまった経験談は見つかっても、私のように尾軸が折れてしまった人は見つかりません。
他のメーカーの万年筆でも同じような壊れ方は少なく、ほとんど情報はありませんでした。
見つかったのは、町山さんの修理問い合わせページだけです。
料金表も載っていますが、当てはまるものはありません。
1日目(5:20) テンパりながら修理の問い合わせを送信
まだ混乱中の私は、「思い切って問い合わせしちゃえ!料金だって修理してくれるところに聞くのが一番だもんね!!高かったら直すの諦めてインテリアにしよう、そうしよう!」と深夜テンションで問い合わせることに決めました。
その時の問い合わせ内容は以下のとおりです。
種類 = 万年筆
モデル名 = ネブローザ
メッセージ
突然尾栓がポロッと取れました。
素人目に見てみたところ、尾軸がポッキリ折れ、尾栓が外れているようなのです。
胴軸側に残っている部品を回してみるとピストンは問題なく動きます。
(接着剤等でつければ元通りになりそうなレベルです。)
このネブローザは2017年8月27日に購入したものになります。
いままで不具合等なく、特に落としたなどの原因になり得そうな出来事も記憶にありません。
限定品である上に、あまり見かけない故障ですので、修理にかかる費用をお伺いしたく問い合わせ致しました。
私事にはなりますが、現在あまり余裕がなく金額によっては修理を見送ろうとも考えております。
もし過去に例のある修理でしたら、修理費用と修理期間を教えていただけると幸いです。
分かりにくく拙い文章になり申し訳ありません。
ご対応のほどよろしくお願い致します。
冷静になって見返すとなんとも言えない日本語不自由感…
ご覧の通り、メチャクチャに予防線を張っているのがおわかりいただけるでしょう。
それでも、故障内容と故意ではないこと、ギリギリ保証期間内であること、金額によっては修理を見送ろうと思っていることなど、伝えたいことはしっかり伝えられているんじゃないかなと思います。
問い合わせた後はなんとか残っているネジ部分を手で回してインクを全て出し、洗ってから眠りにつきました。
2日目(10:00) 問い合わせに返事が来る
次の日の朝に返信が届いていました。
いつもアウロラ製品をご愛顧下さいまして、誠にありがとうございます。
ネブローザ 万年筆の尾栓が取れてしまったとのことですが、
吸入ユニットの交換のみであれば、修理費用は約¥7,000、作業日数は2、3週間とな
ります。
吸入ユニット以外の箇所も修理が必要の場合は、イタリア本国での修理となる可能性
があります。
いずれにしましても、一度状態を拝見後、改めて修理内容・費用等のご連絡をさせて
いただければと存じます。
お近くの輸入筆記具を扱っている百貨店・文具専門店・書店等の販売店へ、
保証書または領収書等の購入履歴がわかるものと共にお持ち込みください。
もしくは、直接弊社に商品をお送りいただくことも可能です。
その際は、梱包資材(クッション封筒・ペンを入れる保護用チューブ)と、
弊社の宛名シールをお送りいたしますので、お知らせください。
弊社へご送付の際の送料はお客様のご負担となります。
梱包資材が到着後2週間以内に返送いただけますよう、お願い申し上げます。
新型コロナウィルス感染症対策のため時短勤務・テレワークを実施しておりますの
で、
お客様へご連絡の日数がかかる可能性がありますこと、予めご了承くださいますよう
お願い申し上げます。
宜しくお願いいたします。
アウロラ製品管理部
問い合わせで聞いていた、「尾栓(尾軸)が取れてしまった場合の修理代金」の例と、見積もりについて教えていただけました。
修理代金は7000円程度のこともあるということで一安心。
それくらいだったら喜んで修理に出せます。
見積もりについてだけではなく、料金例も具体的に教えてくれたのがありがたいですね。
今考えたら「そんなの見てみなきゃわからんやろ」と自分でも思いますもん。
2日目(14:00) 見積もりをお願いする
メールに気がついてからすぐに見積もりをお願いする旨の返信をしました。
先述した通り、購入した店舗に行く機会もありませんし、周りにアウロラ製品を取り扱う店舗もなかったため、郵送での見積もりをお願いしました。
詳しくわかりやすいご回答ありがとうございました。
ぜひ見積もりをお願いしたいと思います。
近くに取扱店舗がないため梱包資材等を送って頂けますでしょうか?
また、保証書を確認したところモデル名の記載がなく(日付と購入店舗印のみ)、レシート等もありませんでした。
この場合修理費用はどのくらい変わってくるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
まだ修理代金が気になっていますね笑
2日目(15:00) 梱包資材を発送してもらう
すぐに返信をいただきました。
ご連絡ありがとうございます。
本日レターパックにて梱包資材(クッション封筒・ペンを入れる保護用チューブ)をお送りいたしますので、
保護用チューブに修理ご依頼品を入れて、保証書と共に弊社までご送付下さい。
(問い合わせ番号:○○○○-○○○○-○○○○)
弊社へご送付の際の送料はお客様のご負担となります。
また弊社の到着時点検を経て国内販売された製品でない場合、規定上、有償・無償修理に関わらず、別途取扱料が発生いたします。
新型コロナウィルス感染症対策のため時短勤務・テレワークを実施しておりますので、
お客様へご連絡の日数がかかる可能性がありますこと、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
宜しくお願い致します。
なんと当日に梱包資材を発送していただけるとのこと。
スピード感が早くてとてもありがたかったです。
?日目 万年筆を発送する
後日届いた梱包キットを使って、万年筆と保証書を発送しました。
ビニール袋とチューブ、プチプチと住所シールが入っているのでとても楽に梱包ができました。
他に用意するものは外箱のみなのですぐに発送できます。
袋に入れてチューブに入れる。
そのチューブを付属のプチプチ袋に入れてレターパックなどに入れるだけでOK。
私自身はメルカリなどの発送も慣れているので全く問題ありませんでしたが、その経験もない方でも簡単にできると思います!
発送方法は、送られてきた時と同じくレターパックを使いました。
今考えると6桁する万年筆を送るには少し不安な方法だったかなとも思いますが、無事に到着したようなので良しとします。
7日目(16:00) 万年筆が到着したとの報告をもらう
いつもアウロラ製品をご愛顧くださいまして、誠にありがとうございます。
本日、ネブローザ 修理品をお預かり致しました。
恐れ入りますがお見積りの作成に1~2週間頂戴いたします。今しばらくお待ちください。
新型コロナウィルス感染症対策のため時短勤務・テレワークを実施しておりますので、
お客様へご連絡の日数がかかる可能性がありますこと、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
宜しくお願い致します。
受け取りの報告をいただきました。
見積もりが出るまで長くて2週間とのことなので待ちます。
11日目(15:00) 見積もり完了連絡
とか思っていたら、たった4日で見積もりが完了しました。
速すぎてびっくりです。
果たして修理代金はいくらなのか…、ドキドキです。
いつもアウロラ製品をご愛顧下さいまして、誠にありがとうございます。
お預かり致しました、88ネブローザ 修理品のお見積りができましたので、お送りいたします。
【お預かり時状態】
尻軸折れ 胴軸後部ヒビ
【修理内容】
吸入ユニット・胴軸交換
分解洗浄
【保証書】
有
【金額】
¥0
【修理日数】
ご了承後、約6ヶ月
【ご連絡事項】
・イタリア本国での修理のため、ご納期約6ヶ月頂戴いたします(新型コロナウィルス感染症の影響により、お預かり期間が延長となる可能性があります)。
・製品の特性上、軸の柄が変わります。交換したパーツはご返却できません。
お客様へお見積り内容をご連絡後14日以内に修理続行の有無についてご返答がない場合、
キャンセル扱いとさせていただき、ご依頼品を返却いたしますので、予めご了承ください。
修理進行/不要のご返信をお待ちしております。
アウロラ製品管理部
む、無料〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
完全勝利です。
壊れるのがあと1週間遅ければ保証期間外でした。
この時点で修理代金や修理期間の都合が悪ければ断ることも可能だそうです。
本当にありがたいですね。
修理代金に不安がある場合は、私と同じように町山さんに直接見積もりをお願いするのもアリですね!
限定品のため、イタリアでの修理になり修理期間がかかること。
軸自体の交換になること。
この2点だけは連絡事項として明記されていますが、私の場合は全く問題ありません。
もちろん修理をお願いしました。
お見積もりありがとうございました。
連絡事項2つも承知致しました。
ぜひ修理をお願いしたいと思います。
よろしくお願い致します。
修理進行のご連絡ありがとうございます。
完了後、ご配送元の住所に発送手配させて頂きます。
またご返却に際しまして、ご都合の悪い到着日などご要望がございましたらご連絡下さい。
宜しくお願い申し上げます。
ここまでで修理依頼のやり取りは完了です。
問い合わせからたったの11日で、しっかり納得して修理をお願いすることができました。
思い切って問い合わせをして、本当によかったです。
手帳にしっかり修理完了予定日を書き込んで、愛する万年筆に想いを馳せながら帰りを待ちます。
140日目(15:30) 修理完了、発送のお知らせ
約4ヶ月半後、予定より1ヶ月以上も早く修理完了の連絡が届きました。
いつもアウロラ製品をご愛顧下さいまして、誠にありがとうございます。
お預かりしておりました、88ネブローザ の修理が完了致しました。
この度は、ご愛用のペンを長らくお預かりし、ご不便をお掛けいたしました。
1月13日 着
ヤマト運輸 お問い合わせ番号 ○○○○-○○○○-○○○○ にてご返却をさせて頂きます。
今後ともアウロラ製品をご愛顧下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
株式会社 町 山
アウロラ製品管理部
速すぎ!!
予想外すぎてめちゃくちゃ嬉しかったです。
ヤマトさんの宅急便コンパクトで発送していただきました。
送る時もそうすれば良かったなあと思いましたね。笑
141日目 修理品受け取り
そして次の日には手元に届きました。
万年筆本体と保証書、修理内容が記載されている書類と「アウロラの万年筆を永くお使いいただく方法」という説明書が同封されていました。
保証期間は切れましたが、1年間以内に同じ故障(尾軸の折れ)があった場合は同じように無料での修理をお願いできるそうです。
修理内容の1年保証がついてくるってすごくないです?
お世話になっております。〇〇です。
ただいま無事に受け取りました。
予定よりも早い修理とご丁寧な梱包、ありがとうございます。
大切にしていた万年筆なので本当に嬉しいです。
また今日から愛用していきます。
本当にありがとうございました。
到着の報告とお礼の連絡をして終了です。
修理の問い合わせをしてから141日で修理が完了しました。
万年筆が綺麗に修理されて帰ってきました〜!
綺麗に治りました〜〜!
胴軸が交換されていますが、ネブローザは大理石のような模様なので全くわかりません。
5年前の限定品だったので少し不安でしたが、しっかりキャップと同じ色味の軸になっているので違和感もありませんでした。
(定番商品のヴィオラとほぼ同じ色なのでその材質が使われたんでしょうね。)
尾軸の折れ以外にも、万年筆の中がなんとなくカビ臭く3週間ほどインクを入れておくととんでもない匂いになってしまうのにも悩んでいましたが、それも分解洗浄していただいたことでスッキリ綺麗に!
ちなみにペン先は同じものでした。
書くときのねじれから、ペン先が少し曲がっているのですが、そのままだったのでしっかり私のものです!笑
分解洗浄を含めて、完全に綺麗に修理されています。
修理代金が0円なのが申し訳ないほどにカンペキでした。
町山さんに修理をお願いした感想
壊してしまった時にはパニクってしまって心臓がキリキリと痛かったものですが、思い切って修理のお問い合わせをして本当に良かったです。
もしこれを読んでいるあなたが、アウロラの万年筆を壊してしまってハラハラしているのであれば、とりあえずお見積もりをお願いしてしまいましょう。
修理代金や修理期間の都合が悪ければ、修理を見送ることもできます。
保証期間が残っている場合もとりあえず問い合わせ!
今回の修理代金が0円だったのも保証書のおかげでしょう。
店舗に持って行っても見積もり次第で断ることもできるでしょうが、なんとなく気まずいですよね。
そんな場合は町山さんの修理のお問い合わせフォームに連絡するのがおすすめです。
もし質問等ございましたら、Twitter(@Hoppe_log)や質問箱などからお気軽にお声掛けください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
よろしければまた次の記事でお会いしましょう!
コメント